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津山で活きる鶴山男ブログ

人間裁判

世はバレンタインデー。
9割方『世捨て人』の私には、心の中にも雪花が散る一日ですが・・・。

さて、今日2月14日は、朝日茂さんの命日です。
昭和39年(1964年)52歳で亡くなった朝日茂さんのお墓が本行寺にあります。
今日の鶴山男散歩の目的地は本行寺です。

私は日本国憲法の学びの中で、朝日茂さん『人間裁判』と出会いました。
※初めて知ったのは、1990年代ですから、朝日さんが亡くなってから30年程経ったころです。

日本国憲法
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

概要は、ウィキペディアの『朝日訴訟』の頁に出ていますので、そちらをご覧ください。

600円の裏付けとは?

手元に一つの資料が残っていました。
病院又は入院入所中の患者に対する生活扶助の支給額一覧表(但し入院三ヶ月以上の大人)
そこには、細かく600円の内訳が書いてあります。
まず1年間に必要な数量があり、それを12等分してありました。
例えばタオルですが、1年間に2本購入するので、1本70円×2÷12=で、1月あたり11.66円といった具合で、それらの合計が600円になっています。
※裁判資料かな?この資料の引用素を記録していなかったので、ここに掲載は控えておきます。

『これで暮らしなさい。』と言われたのですね。

今回の散歩の前に、読み直した書籍があります。

つやま 先人のあゆみ
 あしたへつなぐ
 津山市人権尊重の教育推進協議会

の中の
朝日茂の『人間裁判』
~命をかけた生存権を守るたたかい~
 執筆者 葛原 智

 勝利を信じて訴訟を起こしてから4年がたちました。血痰と熱に悩まされながら、よくぞここまでこぎつけたものだと感じる日がきました。
 判決の日、昭和35年(1960)10月13日、浅沼裁判長は「健康で文化的な生活とはどんなことかについて、国民が単にかろうじて生物としての生存を維持できるという程度のものであるはずがなく、…『人間に値する生存』あるいは、『人間としての生活』と言い得るものでなくてはならない」と、朝日さんの訴えを認める判決を言い渡しました。すなわち、「単に生きる(生存する)のではなく、人間に値する人間らしい生活でなくてはならない」としたのです。
    ※略
 茂の訴えは、国民の生きる権利「生存権」を確立し、国家はその義務を負うことを明確にした、画期的な訴訟でした。その後、人々は「朝日訴訟」を「人間裁判」とよぶようになりました。

ちなみに、執筆者の葛原智さんですが、私に仕事のイロハを厳しく丁寧に教えてくださった方です。

忘れられない思い出があります。
ある時、仕事上のトラブル(今思えば、生涯最大のピンチ)でとことんどん詰まりになった私を自宅に呼んで『おでん』をふるまってくださいました。
暖かくておいしかったあ。
27歳の冬でした。

本行寺に着きました。

どなたも外におられず。うろうろするのは失礼ですし。
で、朝日茂さんの墓石の場所はわからなかったので、お寺の建物のところで手を合わせました。

政治にあきらめさせられている・・・。言い得て妙な言葉です。

権利は与えられているものではなく、多くのたたかいの中で自らが勝ち得たものだということを思い出させてもらえました。

またいつか、墓石の前で手を合わせたいと思います。